Lahainaの記憶ビアフェスト|ハワイで働く日常
2023年09月09日
投稿者:Yuka さん
Lahainaの記憶
2023年08月18日
マウイ島のLahanina(ラハイナ)にあったVigilatte Artisan Coffee(ヴィジラテ アーティザン コーヒー)というコーヒースタンドをインスタでフォローしているのですが、先日そのお店のアカウントが、まるで戦争でも起きたかのように火の手が上がっている写真をポストしていて、なぜウクライナの写真をアップしているのだろうと思ったのですが、写真に添えられたキャプションを読んではじめてマウイ島で大きな火災があり、ラハイナの街のほぼ全てが焼け落ちてしまったことを知りました。
ラハイナはマウイ島西部の海に面した街で、フロリダのキーウエストを思い起こさせるクラシカルな建物が建ち並び、港に面した広場には巨大なバニヤンツリーが枝を広げ、枝がつくる日陰に置かれたベンチに座った人々がストリートミュージシャンの音楽に耳を傾けていました。
4月にラハイナの街を訪れたばかりで記憶も新しいだけに、その全てが燃え尽くされてしまったとは俄かには信じられませんでした。アランチーノにもマウイ島生まれのスタッフがいて、彼女のお父さんの友人もこの火災で家を失ってしまったと聞き、やるせない思いに駆られました。
この悲劇について知った後、ラハイナの街並みを撮影した写真をいくつか見つけたので、今回は写真と共に在りし日々のラハイナを偲びたいと思います。
1834年に建てられたThe Baldwin Home(ボールドウィン家跡)
Master’s Reading Room
日系の名前の残る建物
観光客向けのギャラリーや土産物屋の並ぶフロントストリート
フロントストリートにあったクラシックなポスターを扱うお店
マッチョなスタッフが作るコーヒーが人気を呼ぶVIGILATTE ARTISAN COFFEE
朝食が有名なPioneer Inn(パイオニア イン)
海にせり出すように建てられたラハイナの家屋や店舗
ラハイナの港に立つ灯台
ラハイナのランドマークだったバニヤンツリー。隣を歩く女の子と比較すると樹の大きさがわかると思います。
アメリカンな雰囲気の漂う真言宗のお寺
旧Japanese Fish Markets。対岸に見えるのはラナイ島。20世紀前半には島のあちこちにあった魚市場。複数の日系人家族によって営まれていたラハイナの魚市場も1960年代には姿を消してしまったそう。
もう二度と見ることのできないラハイナの景色だからこそ、何らかの形で誰かとシェアしておきたいと思いました。
標高約3000mのHaleakaa National Park(ハレアカラ ナショナル パーク)
BBCのニュースによると、ハワイ観光局(HTA)の2019年統計では、2019年にハワイを訪れた旅行者1040万人が使った金額は180億ドルで、そのうちの3割にあたる約54億ドルがマウイ島で使われたそうです。さらには、マウイ島における収入の約80%が何らかの形で観光に由来しています。
夕刻のHaleakaa National Park(ハレアカラ ナショナル パーク)への入場は自由ですが、日の出を見る場合は事前予約が必要です。
ハワイの民間資本の収入源の最たるものは観光業なので、マウイ島がこの痛み、苦しみを乗り越え復興へと向かい始めた時、彼らは観光客を必要としています。現在は旅行で訪れるのに最適なタイミングではありませんが、いつかマウイのダイナミックな自然や、Makawao(マカワオ)やPaia(パイア)などの歴史ある街々、そして復興されたLahaina(ラハイナ)を訪れてみてください。
マウイのノースショア、Paia(パイア)
パニオロ(ハワイのカウボーイ)の街、Makawao(マカワオ)
今、地元の方々の間で懸念されているのは、ラハイナが再開発される際、ワイキキのようなビル群になってしまうのではないか、ということだそうです。写真にあった景色のように、ラハイナがラハイナのまま復興へと向かえますように。
今回のコラムを担当したのはYukaでした。
ハワイビアフェスト2023
2023年09月09日
ハワイのクラフトビールを中心に100種を超えるビールを一堂に楽しむことができるハワイビアフェスト、2023年は1月、4月に続いて6月にも開催されました。4月は会場がEwa Beach(エヴァビーチ)とホノルルから離れていたため断念したのですが、6月はBishop Museum(ビショップ ミュージアム)だったので、どんなビールがあるのか試しに行ってみました。(いろいろと書きたいネタが他にもあったので、すっかり遅くなってしまいました…)。
参加していたハワイのブリューワリーは、Kona BrewingやMaui Brewingのような誰もが知る大手から、Honolulu Beer WorksやALOHA BEER Co.、Hana Koa BrewingのようなKaka’akoにタップルームを構えるヒップなブリューワリー、Lanikai Brewing、Beer Lab Hawaii、Kalihi Beer、Kohola Brewery、Hilo Brewing、Lokahi Brewing、Beach House Beer Company、Paradise Cider、さらには知る人ぞ知る実力派ブリューワリーINUまで様々。
思えばBeach House Beer Companyのビールを初めて試したのもこのフェスでした。残念ながら、Beach House Beer Companyを経営していた企業はマウイ島のラハイナで飲食店を多角展開していたのですが、先日の火災でほぼ全てのビジネスを失ってしまった影響で、オアフ島のお店も閉店せざるをえなくなってしまったそうです。
とにかく数が多くて、中にはこのフェス限定のビールを出しているブリューワリーさんもいて、テイスティンググラスが小さいと言えど、お酒があまり飲めない私は何を優先して飲むか選ぶのが楽しくもあり悩ましくもあり…。そうこう悩んでいる内に飲みたかったビールがなくなってしまう、なんてこともありました。
その中で真っ先に飲みにいったのが、Kaneohe(カネオヘ)にブリューワリー兼タップルームを構えるInu Island Ales(イヌ アイランド エールズ)。Inuについて詳しくは次回のコラムで書こうと思いますが、ここのサワービールがとにかくいいんです。使っているフルーツの果実感や酸味がキリッと出ていて、もはやビールの域を超えています。今回出ていたビールの中で最も飲みたかったのが、マンゴー・リリコイ・ピーチ・グラハムクラッカー・チーズケーキというサワーエール、Kilauea Breeze(キラウェア・ブリーズ)。さっきも書いた通り、もはやビールというよりはデザートかカクテルかという領域に入っていますが、喉越しはしっかりビール。ハワイでこんなトロピカルなビール飲みたかったんだよね、というのをきちんとわかってくれているブリューワリーです。スモールバッチすぎておそらく市場にはほとんど出回っていないので、興味のある方は是非Kaneoheまで足を運んでみてください。
変わり種でとても面白いビールを出していたのは、Honolulu Beer Works。Spruce Lee ; Enter the Forestという松の仲間であるトウヒを使ったビール。松葉やもみのようなフレッシュで青々とした香りがビールの苦味とよく合います。
ビール以外にもセルツァーやハードコンブチャ(アルコールの入ったコンブチャ)、サイダーなどを作るメーカーさんも参加していました。ハワイを代表するクラフトサイダーとセルツァーのメーカーへと成長したのは、以前はKalihiにあったParadise Ciders。私が最初に訪れた当時は倉庫をそのまま改装したタップルームが武骨でかえってかっこよかったのですが、現在はMililani(ミリラニ)に移転し、大きなバーを構えています。マンゴーやリリコイ(パッションフルーツ)、ドラゴンフルーツなどを使用したサイダーはフルーティーで、女性でも飲みやすいとおもいます。今回はMsngo Li Hing Mui Hard Seltzer(マンゴー リヒンムイ ハードセルツァー)などを出していました。
写真はMililaniにあるParadise cidersのバーで飲み比べができるフライト
ハードコンブチャで気になったのはマウイ島Haiku-Pauwela(ハイク パウウェラ)発のPauwela Beverage Companyが出していた、ストロベリー・シトラ、ハイビスカス・グアバ、パイナップル・クリームシクルの3種。1杯頼むと、ドリンクボトルに使われているのと同じ柄のステッカーをプレゼントしてくれるという粋な計らいもありました。スーパーのDown to EarthやFoodlandなどで取り扱っているそうです。個人的にはいつかマウイ島のタップルームにも行ってみたいです。
最後に、ハワイのブリューワリーではないのですが、見かける機会があれば是非一度は試してもらいたいのが、ポートランドのCascade Brewing(カスケード ブリューイング)。ここのサワービールはアメリカ全土でもおそらく上位に入ってくるのではないかと思います。今回出していたのはIndigo Twilightと2020 Blueberry。事前に公式WEBに出ていたタップリストの中で最も飲みたかった2020ブルーベリーは僅差でなくなってしまい、飲めませんでした(涙)。Indigo Twilightは、オーク樽で熟成させたブラックベリーとブルーベリーのジューシーなサワーエール。Cascade Brewingは東京だと、原宿にあるHigh Line Liquidで取り扱っているのを見たことがあります。ハワイなら、ハワイ随一のクラフトビールのセレクションを誇るKaka’akoにあるVillageで取り扱っていることが多いです。
ローカルのミュージシャンがアコースティックギターで演奏するSublimeやthe Green、Aviciiが聴こえてくる中、Bishop Museumのクラシックな石造りの建物を眺めながら芝生でのんびりとビールを飲むひと時。会場内には大きなジェンガがあったり、リンボーチャレンジ用にバーが設けられていたり、フォトスポットがあったりと、グラスを傾けながら盛り上がれるアクティビティも多くあり、時間がいくらあっても足りないくらい充実した時間でした。
何よりもいいのは、ハワイの夕焼けを眺めながら、そして気持ちの良い夜風に当たりながら、屋外でビールが飲めるということ。デンマークにいた時は、皆カールスバーグの6本入りのケースを片手に夕焼けを眺めながら運河沿いや芝生でビールを飲むという街の人々の光景が(冬でも)普通だったのですが、ハワイではこうして気軽に外で飲める機会が貴重なので、それだけでもこのフェスに参加する甲斐があると思います。
Hawaii Beer Festの次回開催は未定ですが、詳細は公式WEBをチェックしてみてください。
Hawaii Beer Fest
https://www.hawaiibeerfest.com
今回のコラムを担当したのはYukaでした。