パイナップルのお酒とシャングリ・ラ邸|ハワイで働く日常

2023年06月14日

投稿者:Yuka さん

パイナップルをめぐる旅2 ワイン&ウォッカ編

2023年05月28日

オアフ島から飛行機で30分、マウイ島はハワイの島々の中でハワイ島に次いで2番目に大きな島。かつては缶詰用のパイナップルが盛んに栽培されていた島でもありましたが、現在は高品質な生食用パイナップルが栽培されています。

前回のコラムでそのMaui Goldというブランドのパイナップルについて話をしましたが、今回は、市場に出荷されなかったパイナップルを含めたMaui Goldをジュースにしてサステナブルに活用している蒸留所とワイナリーに触れますね。

 

Maui Wine(マウイ ワイン)

 

Maui Wine

 

マウイ島南部にあるUlupalakua Ranch(ウルパラクア農場)が1974年に立ち上げたワイナリーでは、標高1800フィート(550m)の山の中腹で栽培されているブドウを使ったワインを醸造していますが、Maui Goldのパイナップル果汁を使った世界的にも非常に珍しいパイナップルワインを醸造しています。

 

Maui Wine

 

パイナップルワインはパイナップルジュースをステンレスのタンクで2週間かけて低温発酵させ、その後3ヶ月〜4ヶ月にわたって澱引き、濾過、熟成等がおこなわれます。樽熟成はさせないので、グラスに注いだ時にフレッシュなパイナップルの香りを強く感じることができます。よく白ワインのテイストを表す時にトロピカルフルーツという表現が使われていますが、このワインはトロピカルフルーツそのものです。

 

Maui Wine

Maui Wine

 

Maui Wineを訪れたら必ず試したいのが、パイナップルワイン3種を飲み比べすることのできるPineapple Tasting(パイナップル テイスティング)。パイナップルのスパークリングワインHula o Maui(フラ オ マウイ)、ドライな飲み口のパイナップルワインMaui Blanc(マウイ ブラン)、甘口なMaui Splash(マウイ スプラッシュ)を$12で楽しむことができます。

 

Maui Wine

 

個人的におすすめなのはパイナップルのスパークリングワインを使ったHula Hoop(フラフープ)というカクテル。Hula o Mauiにマウイ島で作られているsugar cane dane(シュガーケーン デーン)のリリコイ&パイナップル味のクラフトシロップを合わせたもので、ミモザのトロピカル版といった味わいなので、昼下がりの一杯にぴったりです。

 

Maui Wine

 

テイスティングルームの営業時間は11時〜17時。運が良ければワイナリーの看板猫がお迎えしてくれるかもしれないです。

 

Maui Wine

 

Maui Wine

14815 Piilani Hwy, Kula, HI 96790

https://mauiwine.com/

 

 

Hali’imaile Distillery(ハリイマイレ蒸留所) PAU Volka

 

Maui Wine

 

PAU(パウ)はハワイを代表するクラフトウォッカ。ハワイのレストランやスーパーなどでボトルを見かけたことがあるのではないでしょうか?

 

Maui Wine

 

ウォッカの原料といえば小麦、大麦、ライ麦などの麦類やじゃがいも、とうもろこしが主流ですが、ハワイではあまり栽培されていないものばかり。そこで目をつけたのがパイナップル。パイナップルのジュースを発酵させてウォッカを作ることができないかと試行錯誤を重ねた結果、現在の市販品となるウォッカ、PAUが誕生したんだそう。

 

Maui Wine

 

ちなみに、PAUというのはハワイの言葉で、Finish(終わり、おしまい)という意味があるんだそう。現地の人は一日の仕事の終わりに”PAU(今日の仕事はおしまい)“と言ったりするそうです。ウォッカの開発に携わった人々は、これ以上良いウォッカを作ることができないという意味を込めてPAUと名づけたそうです。また、このPAUには隠れた意味もあり、ウォッカのボトルを丸一本飲み干してしまったら、Finished(おしまい)だよねというジョークも込められているんだそう。

 

Maui Wine

 

上の写真にある、プラスチック製の樽に入っているのがパイナップルジュースを発酵させている様子。興味のある方は蒸留所の見学とテイスティングがセットになったツアーがあるのでウェブをチェックしてみて下さい。時間帯によってはパイナップル農園ツアーとセットで参加することもできます。

 

Maui Wine

 

Hali'imaile Distillery Tour & Tasting Room

883 Haliimaile Rd, Makawao, HI 96768

https://haliimailedistilling.com/

 

 

ハワイに限らずどんな土地を訪れても、地元の農家やレストラン、醸造所などが業界の垣根を越えて様々な取り組みやコラボレーションなどを行なっているのを見るのはとても興味深くて、ビジネスモデルとしても参考になります。

Maui Wine

今回はマウイへの旅を通じて、パイナップルを基軸に農園や醸造所などが協力し合ってサステナブルでイノベーティブなビジネスモデルを構築しているのを2回にわたってご紹介しました。このコラムを担当したのはYukaでした。

 

Shangri La(シャングリ・ラ邸)

2023年06月14日

 

ハワイへ旅行する際に一度は訪れてみたいとずっと思っていた場所があります。

Shangri La(シャングリ・ラ邸)− HoMA(ホノルル美術館)が主催する完全予約制のツアーでしか訪れることのできない、ハワイで最も美しい邸宅のひとつです。

 

Shangri Laは、アメリカン タバコ カンパニーの創設者の一人娘で12歳にして父の巨万の富を相続したビリオネア、Doris Duke(ドリス・デューク/1912-1993)が冬の住まいとして2年の歳月をかけて1937年にハワイに完成させた邸宅。その建物は、彼女が世界各地を旅した折に影響を受けた中東風の建築様式やアートをふんだんに取り入れています。

 

Shangri La

 

外見からは想像がつかないのですが、一歩邸宅の中に足を踏み入れると、アラビアンナイトの世界に迷い込んだかのような印象を受けます。

 

Shangri La

壁のタイルが目を引く中庭

 

邸内は、ドリスが22歳の新婚旅行で世界一周の旅に出て以来、60年近くにわたって中東、南アジア、東南アジア等で収集されてきた約4,500点もの美術品や調度品に彩られ、特に陶器やガラス製品、テキスタイルは膨大なコレクションを誇ります。

 

Shangri La

Shangri La

シリアン・ルーム

 

Shangri La

リビングルーム

 

Shangri La

Shangri La

オーシャンフロントの邸宅で、唯一室内から海を望むことのできるダイニング。シャンデリアはバカラ。

 

Shangri La

ダイニングからつながっているラナイ(テラス)

 

Shangri La

寝室へとつながる廊下

 

Shangri La

ベッドルーム。時代が近いせいなのか、個人的には画家のダリが妻のガラのために作った部屋を思い起こさせます。

 

Shangri La

庭側から眺める建物の外観。ここはハワイかアラビアか? 自分自身がどこにいるのかわからなくなってしまうほどの錯覚に陥ります。

 

Shangri La

建物の向こうに見えるのはダイヤモンドヘッド

 

 

Shangri LaツアーはHoMAのサイトから予約できますが、1〜2ヶ月先まで予約で埋まっていることも。ハワイへ旅行することを決めたら、すぐにでも予約したいところです。なお、ツアーの発着はHoMAで現地(シャングリ・ラ邸)集合することはできませんが、ツアー料金($25)には当日有効のHoMAへの入場券も含まれているので、ツアーの前後にはホノルル美術館で優美なアート鑑賞を楽しむこともできます。

 

Shangri La

 

 

今回のコラムを担当したのはYukaでした。

 

邸宅の詳細

Shangri-La

https://www.shangrilahawaii.org

Shangri La

ツアーの予約

HoMA (Honolulu Museum of Art /ホノルル美術館)

https://honolulumuseum.org/shangri-la/

 

この記事を書いたのはこの方

コラムニスト:Yuka

北欧デンマークからハワイへと引っ越してきたYukaです。今までロンドン、コペンハーゲンとヨーロッパの都市に住む機会が多かったのですが、いつかハワイで暮らしてみたいなと思っていた夢が実現して、自分でもびっくりしています。ミシュランの星付きレストランからストリートフードまで、とにかくおいしいものを食べることが大好きなフーディーなので、今また新たに変わりつつあるハワイのフードシーンを中心に様々なハワイに関する情報をお届けできたらいいなと思っています。

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