ヴィーガン居酒屋とマウイゴールド|ハワイで働く日常

2023年05月10日

投稿者:Yuka さん

ハワイで試してみたいヴィーガン居酒屋

2023年04月27日

ホノルルには日本と同じスタイルの居酒屋がいくつもあるので、ハワイに長期滞在していて日本の味が恋しいって思った時にもお店探しに困ることはないと思いますが、今回は逆に日本ではなかなか味わうことのできない、ヴィーガン居酒屋を紹介してみようかなと思います。

 

Tane Vegan Izakaya(種 ヴィーガン居酒屋)は2019年にオープンした100%プラントベース(植物由来)の原料を使用した居酒屋でワイキキの北、S Beretania St.に面しています。居酒屋なので、揚げ出し豆腐や枝豆、餃子などの一品料理を楽しむことができますが、種に来たなら是非試してもらいたいのはVegan Roll。そして食に対して冒険心があるなら、挑戦してらいたいのがVegan Nigiri。

 

手前にあるお寿司、何のネタに見えますか?

 

Tane Vegan Izakaya

 

何も教えずに友人にこの写真を見せて聞いてみたところ、100%の確率でマグロの赤身と返ってきました。ですが、答えは”トマト”。湯むきしたトマトをマグロの赤身に見立てています。

 

Tane Vegan Izakaya

 

写真右上から、ローストしたパプリカ。生姜と紫蘇をのせたトマト。スモークして甘辛い醤油を塗ったBean Curd(直訳すると豆腐ですが、大豆版のスパムのようなしっかりとした食感でした)。アボカドのピューレをのせたマンゴーのピクルス。

 

あえて酢飯に合わせなくてもいいのかなと言うネタも中にはありましたが、ビジュアルは一瞬マグロや数の子などに見えてくるので、それだけでも楽しい品々でした。

 

 

そして、種の中で人気があるのがお店オリジナルのSpecialty Roll。今回はその中からビーツを使ったLeahi(レアヒ)とServer(サーバー=接客担当者)のおすすめHalf Moon(ハーフ ムーン)を試してみました。

 

Tane Vegan Izakaya

 

Leahiは、燻製したビーツ、アボカド、豆腐クリーム、アスパラガスを巻いた太巻きで、ビーツの上にカシューナッツがトッピングされています。醤油を少しつけてもいいのですが、スイートマスタードソースに合わせていただきます。

Tane Vegan Izakaya

 

Half Moonは巻物を豪快に揚げた天ぷらロール。中にはさつまいも、燻製した豆腐が入っていて、さらに巻き物の上にはマンゴーのピクルス、トマト、玉ねぎ、紫蘇、ゆず、ハラペーニョが散らされています。

 

Tane Vegan Izakaya

 

インテリアも居酒屋というよりは、少しおしゃれな和風ダイニングといった雰囲気です。ヴィーガン居酒屋は日本ではまだまだ数が少ないので、海外ならではの経験だと思います。また、植物由来の原料のみを使用しているので見た目よりも食感が軽く、男性だと少し物足りなく感じるかもしれません。スシの他にもヴィーガンカツや天ぷら、ラーメンなどもあるので、普通のカツやラーメンと比較しながら色々試してみるのも楽しいと思います。

ちなみに、お子さん連れのファミリーでも気楽に行けますが、ローカルの方で混み合っていることもあるので、事前に予約しておくことをおすすめします。

 

Tane Vegan Izakaya

 

今回のコラムを担当したのはYukaでした。

 

Tane Vegan Izakaya

2065 SBeretania St. Honolulu

tanevegan.com

 

 

マウイ パイナップルをめぐる旅1 Maui Gold編

2023年05月10日

 

パイナップル農園って訪ねたことありますか?

オアフ島でパイナップル農園といえば、Dole Plantation(ドール プランテーション)が有名だと思います。汽車のアトラクションでパイナップルが育っている農園内を回ることができて、子供から大人まで楽しむことができる観光農園ですよね。

 

Maui Gold

 

マウイ島へ行くとまた有名なパイナップル農園があります。Maui Gold(マウイゴールド)は、マウイ島で育てられているパイナップルで、他のパイナップルと比べると小ぶりなのですが、その甘さは桁違い。先日マウイ島を訪れる機会があり、Maui Pineapple Tour(マウイ パイナップル ツアー)に参加することができたので、Maui Goldというブランドのパイナップルがなぜそんなに甘いのか、その秘密に迫ってみました。

 

Maui Gold

農園の入り口

 

農園があるのは、マウイ島のMakawao(マカワオ)という歴史ある街からほど近い、Haleakala(ハレアカラ)と呼ばれる赤土の傾斜地。1350エーカーもある農園へバスで入っていくと、すぐにパイナップルのなったフィールドが広がっているのかなと思っていたのですが、意外にも丈の高い草むらが広がるばかり。でもこれには理由があったのです。

 

Maui Gold

 

パイナップルは種からではなく、上の写真のようにクラウンと呼ばれるパイナップルの頭の部分、あるいは子株と呼ばれる株元から生える苗木を植えることから始まります。これらの株はまだ植えてから数週間だそうです。ここから実際にパイナップルの果実が実り始めるまで約2年から2年半。

 

Maui Gold

実がついたばかりのパイナップルはアザミのよう。

さらにパイナップルの果実がなり始めてから実が完熟するまでは1年半程度かかります。よく見ると下の写真ではパイナップルの花がついているのがわかりますか? なんとなく黄色っぽい花を想像していましたが、実際は紫色の花が咲くんだそう。パイナップルの格子状の目は、ひとつひとつが独立した果実なので、それぞれの果実に花がつきます。

 

Maui Gold

 

こうして苗木を植えてから最初の収穫まで約3年半から4年の歳月を要します。最初の収穫を終えると再び実がなり、1年半程度で再びパイナップルを収穫することができます。Maui Goldの場合、この2回目の収穫を終えると、これ以上同じ株からパイナップルを栽培することなく、一度全ての株を抜き取って、その畑を休耕地にしてしまいます。その理由としては、理論的には3回目以降も後も実をつけることは可能だそうですが、土壌が痩せてしまいMaui Goldが定めているクオリティのパイナップルが実らないというのがひとつ。また、一度品質の落ちてしまったパイナップルの苗木を次の栽培に使用すると、次世代のパイナップルの味わいも落ちてしまうので、5年間でたった2回収穫を行った後は、その畑を休耕地にして畑を休ませてあげるそう。パイナップル農園に入ってから広大な草むらが広がっていたのは、そういう休耕区画のひとつだったんです。その品質の高さを維持するために、労を厭わないことがよくわかります。

 

Maui Gold

収穫間近のパイナップル

 

ちなみに、農園には品質管理等を行う科学者が在籍しており、収穫時期が近づいたパイナップルの区画からランダムに個体をピックアップして糖度チェックを行い、糖度がある一定の度数を超えるほど完熟していることが確認されてから、やっとパイナップルの収穫が始まるんだそうです。

 

Maui Gold

 

上の写真にある小さなパイナップルは、成育途中のパイナップルではなく、メインのパイナップルが育つ際に副次的にできた実なんだそう。これらは、味は良いのですが小さすぎて市場には出荷できないため、ジュースなどにして、他の用途に使用しているそう。これはまた次回のコラムで触れますね。

 

Maui Gold

このようにバスで畑の様子を見ながら進んでいきます。

 

やっぱりハワイだけあってこんなに甘いパイナップルが育つんだなと思いながらツアーに参加していたのですが、実はハワイのパイナップルって一昔前は主に缶詰用に栽培されていて、あまり甘くなかったそう。20世紀後半にはハワイ大学にパイナップル研究所が設立され、そこでも缶詰用に適したパイナップルを開発していたのですが、その最中に生で食べるのに適したとても甘い交配種が偶然見つかったそう。この交配種を生み出したウィリアムズ博士が更なる品種改良を重ねた結果が、現在Maui Goldというブランド名で売られている品種だそうです。

 

最後に、美味しいパイナップルの選び方を教えてもらったので、パイナップルを買う際の参考にしてみてください。

まずチェックしたいのはパイナップルの目。前述したようにパイナップルの格子状の目のひとつひとつが実は果実なので、その格子ができるだけ大きく平坦になっているものが、パイナップルが完熟しているサインなんだそうです。

色は黄色い方が甘い?と思うかもしれませんが、実は色はあまり甘さに関係ないんだそうです。実際、Maui Goldは見た目が緑色でも完熟しているケースも多いそうなのですが、私たち消費者の持つパイナップルのイメージが黄色なので、溶剤を与えて収穫前に黄色く着色しているそうです。

 

驚きだったのは、パイナップルはバナナなどと違って収穫後に追熟することはないそうです。よく、買ったばかりのパイナップルは酸味が強いけれど、日が経つと甘くなるというケースがありますよね。あれは追熟しているのではなく、酸が抜けて甘みを感じやすくなるんだそうです。

 

スーパーなどでパイナップルを買う際にはパイナップルのお尻が柔らかくなっていなくて、カビの生えていないものがよりフレッシュだという証拠。Maui Goldの場合は完熟してから収穫しているので、できるだけフレッシュなものを選んだ方がいいということです。

 

Maui Gold

畑で食べるパイナップルはまた格別。この品種は芯まで食べられるそうです。

 

ツアーの最後には採れたてのパイナップルをその場でカットしてくれる試食と、パイナップル丸ごと1個のお土産がついてきます。観光農園というよりは、ガチな農園ツアーですが、ビジネスとして決してコストパフォーマンスが良いわけではないのに、それでも品質の高さを貫くためにこのような栽培方法を取っているのを見た後では、パイナップルの味わい方が変わってくると思います。

 

Maui Gold

ツアー受付のすぐ近くには無添加パイナップル100%のスムージーなどが味わえるトラックも。

 

Maui Pineapple Tourは毎日、日に3回開催されています。空きがあれば当日受付にて申し込むこともできますが、予約が埋まっていることも多いのでオンラインで事前に予約をするのがおすすめです。

Maui Gold

今回のコラムを担当したのはYukaでした。次回は、市場に出せないパイナップルをジュースにした後のサステナブルな活用方法についてお話ししますね。

Maui Gold

Maui Pineapple Tour

Maui Gold Pineapple Farm - 883 Hali'imaile Rd., Makawao

https://mauipineappletour.com/

この記事を書いたのはこの方

コラムニスト:Yuka

北欧デンマークからハワイへと引っ越してきたYukaです。今までロンドン、コペンハーゲンとヨーロッパの都市に住む機会が多かったのですが、いつかハワイで暮らしてみたいなと思っていた夢が実現して、自分でもびっくりしています。ミシュランの星付きレストランからストリートフードまで、とにかくおいしいものを食べることが大好きなフーディーなので、今また新たに変わりつつあるハワイのフードシーンを中心に様々なハワイに関する情報をお届けできたらいいなと思っています。

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