ハワイの実力派クラフトビールINU

2023年09月23日

投稿者:Yuka さん

オアフ島には様々なクラフトビールのブリューワリー(醸造所)があって、特にKaka’ako(カカアコ)周辺ではHana KoaやHonolulu Beer Works、Aloha Beerなど様々なブリューワリー・ホッピングを楽しむことができます。それも楽しいのですが、今回紹介したいのはオアフ島にある他のクラフトブリューワリーとは異なり、ほとんど市場には流通していなくてなかなか飲むことができない、車を走らせて(現地で飲みたい方はUberで)でも買いに行く価値のあるブリューワリー、INU Island Ale(イーヌ アイランド エール)です。

 

 

INU Island Alesは2017年に醸造を開始したマイクロブリューワリーで、INUはハワイの言葉でドリンク、飲み物という意味があるそうです。ブリューワリー兼タップルームは、Kailua(カイルア)から車で10分ほど離れたKaneohe(カネオヘ)という街のガレージが建ち並ぶ一画にあり、シャッターが半分だけ開いている様はまるで秘密基地。タップルームは、バーカウンターに椅子がいくつか並べられているのと、その脇に小さなテーブルと椅子がちらほら。タンクの並ぶ醸造所の片隅で飲むというのも、造り手のような気分が味わえて、他のタップルームと異なる荒削りな感じがとても気に入っています。

 

 

タップルームから見えるタンク

 

INUは、ハワイのクラフトビールを新しいレベルまで引き上げたいという思いから様々なスタイルのビールを醸造しているのですが、例えば、寒冷地で飲むのに適しているどっしり重めのスタウトも、あえてハワイで飲むのもいいのでは?と姿勢はあくまでも挑戦的。

 

 

タップは常時6〜7種類で、ラガー、IPA、サワーエール、スタウトと幅広いラインアップを揃えています。なかでも特に試してもらいたいのが、アイランドサワーエールという、ハワイ由来の果実の酸味が効いたフルーティーで甘酸っぱいビール。北欧各地でも様々なベリーを使用したサワーエールや樽発酵させたファームハウスエールなどレベルの高いサワービールが多く個人的にもお気に入りがたくさんあったのですが、ハワイに来てからINUを訪れるまで、目が覚めるようなサワーエールになかなか出会えず、ハワイのサワービールなんて所詮そんなものかと思っていたところに出会ったINUのアイランドサワーエールは、世界的に見ても非常にレベルが高いです。まさにHidden Gemという言葉がぴったりなINUのサワーエール。

 

写真右からPOP、UBE Cheesecake

 

前回のハワイビールフェストで出ていたマンゴー・ピーチ・グラハムクラッカー・チーズケーキというテイストのサワーエール”Kilauwea Breeze”(キラウェア ブリーズ)や、POG(パッションフルーツ オレンジ グアバ)ならぬ、パッションフルーツ オレンジ パイナップルを使ったサワーエール”POP”、ハワイでよくスイーツに使用される」Ube(ウベ)という紫色をしたヤマイモの一種を使った“UBE Cheesecake“など、その時々によって全く異なるフレーバーが登場するので、私は常にInstagramで新しいフレーバーをチェックして、気になるものがあれば車で買いに行きます。

 

Mango Cactus Pants

 

いくつか私が試してきた中で最も良かったのは、”Mango Cactus Pants”というマンゴーとプリックリーペア、キーライムにマシュマロを合わせたアイランドスタイルエール。甘みと酸味、フルーティーさのバランスが絶妙で、ハワイ特有の甘く暖かい風に吹かれながら飲むのにぴったりなサワーエールでした。また飲みたい!と常々思っているのですが、おそらく私がハワイにいる間には出てこない気がします…。

 

Crowlerで持ち帰ったMango Cactus Pants。ビールグラスではなくあえてワイングラスで。

 

犬の散歩の途中にいつも立ち寄るという地元の常連さんと話をしていると、シメはやっぱりスタウトなんだそう。IPAのようなシャープなものから始めて、フルーティーなアイランドサワーエール、そして最後にデザート感覚でスタウトを飲んで帰るのが常連さんの飲み口。

 

 

タップルームがあるとはいえ、提供されるのはあくまで100ml程度のテイスティングサイズのみ。そこで飲んで気に入ったものがあれば、Crowler(クロウラー)という、タップから32oz(約1ℓ)の缶にフレッシュなビールを詰めて持ち帰ることができます。なので、中にはスーパーにビールを買いに行くような感覚でやって来るローカルの方も。

 

 

正直ハワイのクラフトビールは個性に乏しいところがあるというが私の抱いていた意見で、ハワイのビール業界に携わる方からも、メインランドにと比較するとハワイのクラフトビールは遅れているところがあるという話を聞いていたのですが、INUは私の予想を凌駕する実力の持ち主でした。

 

 

余談ですが、KaneoheにはハワイのYelp口コミランキングでトップクラスの評価を得ているAdela’s Country Eatery(アデラズ カントリー イータリー)という生パスタから肉料理、デザートまで様々な品を提供している有名なデリがあります。お店に行ってからオーダーすると、受け取りまで1〜2時間かかることがあるので、せっかくKaneoheまで行くならAdela’sでオーダーしてからINUへ行ってビールを飲みながら待つのもありです。

 

ボリュームのありすぎるAdela’sの肉のせ生パスタ

 

今回のコラムを担当したのはYukaでした。

 

INU Island Ales

46-174 Kahuhipa St, Kaneohe, HI 96744

https://inuislandales.com/

この記事を書いたのはこの方

コラムニスト:Yuka

北欧デンマークからハワイへと引っ越してきたYukaです。今までロンドン、コペンハーゲンとヨーロッパの都市に住む機会が多かったのですが、いつかハワイで暮らしてみたいなと思っていた夢が実現して、自分でもびっくりしています。ミシュランの星付きレストランからストリートフードまで、とにかくおいしいものを食べることが大好きなフーディーなので、今また新たに変わりつつあるハワイのフードシーンを中心に様々なハワイに関する情報をお届けできたらいいなと思っています。

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