Lahainaの記憶
2023年08月18日
投稿者:Yuka さん
マウイ島のLahanina(ラハイナ)にあったVigilatte Artisan Coffee(ヴィジラテ アーティザン コーヒー)というコーヒースタンドをインスタでフォローしているのですが、先日そのお店のアカウントが、まるで戦争でも起きたかのように火の手が上がっている写真をポストしていて、なぜウクライナの写真をアップしているのだろうと思ったのですが、写真に添えられたキャプションを読んではじめてマウイ島で大きな火災があり、ラハイナの街のほぼ全てが焼け落ちてしまったことを知りました。
ラハイナはマウイ島西部の海に面した街で、フロリダのキーウエストを思い起こさせるクラシカルな建物が建ち並び、港に面した広場には巨大なバニヤンツリーが枝を広げ、枝がつくる日陰に置かれたベンチに座った人々がストリートミュージシャンの音楽に耳を傾けていました。
4月にラハイナの街を訪れたばかりで記憶も新しいだけに、その全てが燃え尽くされてしまったとは俄かには信じられませんでした。アランチーノにもマウイ島生まれのスタッフがいて、彼女のお父さんの友人もこの火災で家を失ってしまったと聞き、やるせない思いに駆られました。
この悲劇について知った後、ラハイナの街並みを撮影した写真をいくつか見つけたので、今回は写真と共に在りし日々のラハイナを偲びたいと思います。
1834年に建てられたThe Baldwin Home(ボールドウィン家跡)
Master’s Reading Room
日系の名前の残る建物
観光客向けのギャラリーや土産物屋の並ぶフロントストリート
フロントストリートにあったクラシックなポスターを扱うお店
マッチョなスタッフが作るコーヒーが人気を呼ぶVIGILATTE ARTISAN COFFEE
朝食が有名なPioneer Inn(パイオニア イン)
海にせり出すように建てられたラハイナの家屋や店舗
ラハイナの港に立つ灯台
ラハイナのランドマークだったバニヤンツリー。隣を歩く女の子と比較すると樹の大きさがわかると思います。
アメリカンな雰囲気の漂う真言宗のお寺
旧Japanese Fish Markets。対岸に見えるのはラナイ島。20世紀前半には島のあちこちにあった魚市場。複数の日系人家族によって営まれていたラハイナの魚市場も1960年代には姿を消してしまったそう。
もう二度と見ることのできないラハイナの景色だからこそ、何らかの形で誰かとシェアしておきたいと思いました。
標高約3000mのHaleakaa National Park(ハレアカラ ナショナル パーク)
BBCのニュースによると、ハワイ観光局(HTA)の2019年統計では、2019年にハワイを訪れた旅行者1040万人が使った金額は180億ドルで、そのうちの3割にあたる約54億ドルがマウイ島で使われたそうです。さらには、マウイ島における収入の約80%が何らかの形で観光に由来しています。
夕刻のHaleakaa National Park(ハレアカラ ナショナル パーク)への入場は自由ですが、日の出を見る場合は事前予約が必要です。
ハワイの民間資本の収入源の最たるものは観光業なので、マウイ島がこの痛み、苦しみを乗り越え復興へと向かい始めた時、彼らは観光客を必要としています。現在は旅行で訪れるのに最適なタイミングではありませんが、いつかマウイのダイナミックな自然や、Makawao(マカワオ)やPaia(パイア)などの歴史ある街々、そして復興されたLahaina(ラハイナ)を訪れてみてください。
マウイのノースショア、Paia(パイア)
パニオロ(ハワイのカウボーイ)の街、Makawao(マカワオ)
今、地元の方々の間で懸念されているのは、ラハイナが再開発される際、ワイキキのようなビル群になってしまうのではないか、ということだそうです。写真にあった景色のように、ラハイナがラハイナのまま復興へと向かえますように。
今回のコラムを担当したのはYukaでした。