ハワイの有名シェフが手がけるカイムキの新星レストラン
2023年02月08日
投稿者:Yuka さん
デンマークのコペンハーゲンにあるNorrebro(ノアブロ)というエリアは、世界で最もクールなエリアに近年選ばれたのですが、ホノルルでノアブロと同じようなクールな雰囲気を感じられるエリアといえば、Kakaako(カカアコ)とKaimuki(カイムキ)。
Kaimukiは決して治安が良い訳でもないし、観光で訪れるのには華がないようなイメージがありますが、歩き回ってみるとハイセンスなショップやカフェが点在していて、ローカルの人々の生活がきちんと感じられ、イーストロンドンやブルックリン、ノアブロのようなヒップな雰囲気を堪能することができます。
そんなKaimuki出身でありハワイで最も有名なシェフの1人、Chris Kajioka(クリス・カジオカ)が地元に立ち戻ってオープンしたレストラン、Miro Kaimuki(ミロ・カイムキ)。Chris Kajiokaと言えば、ダウンタウンにあるレストランSeniaの立ち上げから関わったことでも広く知られています。
Arancino at the KahalaのキッチンマネージャーたちもMiro Kaimukiを訪れたことはないものの、言うならばMiro KaimukiはAnthony RushのいないSeniaだと言わしめる程前評判の高いお店なので、自然と期待値も高まります。
<Caption> Miro KaimukiはKaimukiの中心、9th Avenueにほど近いWaialae Avenue沿いにあります。
Miro Kaimukiはprix fixe(プリフィックス)コースが5品で$88、それに合わせたワインペアリングが$48と、Kaimukiならではの良心的な金額設定です。
<Caption>prix fixeのメニュー
ただ、ここから追加でオーダーできる品々がいくつかあり、インスタによく上がっているウニを載せたブリオッシュを含むTrio(トリオ)という一皿は、ウニ、アヒ(マグロ)、キャビアの3種類で$100と、既にプリフィックスコースを上回る金額ではあるものの、予算が許すなら試してみたいところ。
<Caption> まるでお鮨かのような、ブリオッシュの上にアヒ、キャビア、ウニを載せたTrio。サンフランシスコにある有名なレストランSaison(セゾン)で出しているサワードウブレッドにウニを載せた一皿を彷彿とさせます。ウニは北海道産を使用。
この日は他にもエスカルゴや冬トリュフを使用したリゾットなども追加のメニューにありましたが、追加でオーダーできる品々はメニューボードなどがなく、全て口頭で説明されるので、訪れた際はきちんと内容と金額を聞いた上でオーダーをするかどうか考えないと、最終的なコースの金額がかなり高くなってしまう可能性もあるので注意が必要です。
<Caption>プリフィックスコースの一皿目は、キャベツにパルメザンのソースを合わせた濃厚な一皿。
<Caption>ベビーキャロットはロマネスコソースと合わせて。
<Caption>メインは牛の頬肉。
<Caption>日本のトンカツをデザートに応用したタロイモのカツ。
全体の印象としては、プレーティング、いわゆるお皿への盛り付けは良いのですが、その見た目の美しさと実際のテイストとの間にギャップがある印象を受けます。もちろんコースの金額設定を考えれば悪くはないのですが、人参に付け合わせた蕎麦などの穀類が香ばしいというよりはやや焦げていたり、メインの牛の頬肉も素材に対しての火入れが適切ではなくグミのような食感がしたりしたところは新しいお店ならではで、スタッフの調理スキルにもう少し磨きをかけてもいいのではないかなという印象を受けました。
サーバーも良いサービスをしたいという姿勢は感じられるのですが、ミスコミュニケーションが多く、本人がオファーしたサービスがきちんと行われず、こちらとしては困惑してしまうというシーンが続いたのもやや残念でした。
<Caption>Miro Kaimukiの内観。良心的な価格からローカルからも観光客からも人気を集めていることが窺えます。
ただ、こういったことは新しいレストランにはつきものだと思います。Miro Kaimukiのレストランの内装はインテリアの感度が高いコペンハーゲンのレストランと比較しても劣らぬほどセンスが良く、バーもヒップでクールな雰囲気があります。なので、現在の価格帯をキープしたまま、これからどれだけ味やサービスをブラッシュアップさせていくのかが注目のしどころではあります。また、四季のないハワイで季節感を感じさせるようなメニューを月毎に提供するというコンセプトも非常に興味深いので、毎月のメニューの内容をチェックしながらまた訪れるタイミングを見計らいたいです。
<Caption>エントランスを入るとすぐ目に入るバー。日本のウィスキーも各種取り揃えられていました。
ちなみに、Chris Kajiokaは現在自身のルーツである日本に出店する計画を立てているそうです。ハワイまで来ることができなくても日本で彼のテイストを楽しむことができるので、興味がある方は是非調べてみて下さい。
余談ですが、後日インスタにMiro Kaimukiの写真をポストしたところ、Kajiokaさんご本人からHope you enjoyed MIROというメッセージを頂けたのがとても嬉しかったです。
今回のコラムを担当したのはYukaでした。
Miro Kaimuki
3446 Waialae Ave, Honolulu, HI 96816